総合職と販売職

 

アパレルの世界で働こうとするのであれば、販売職と総合職の違いについては、必ず知っておくべきです。ここの理解が抜けていると、自分のキャリアについて、気がついた時には取り返しのつかない状態になってしまっているかもしれません。

 

アパレル業界で働くのであれば、とても重要なことなので、頭に叩き込んでおきましょう。

 

では、販売職、総合職とは何なのか?

 

シンプルにまとめると、下記のような定義となります。

 

販売職
店舗における接客・販売を行う仕事。いわゆるショップスタッフ。正式には店舗販売員と呼ばれることが多い。店長も販売職に入ります。

総合職
商品開発や生産・仕入れ、マーケティングや広報等、事業全体に関わる職種。デザイナー、MD、VMD、バイヤー、プレスといった職種は全て総合職です。基本的に本社勤めとなります。

 

お店で接客する仕事が販売職、それ以外の仕事は総合職と考えれば、イメージしやすいと思います。

 

販売職と総合職は別ライン

販売職と総合職の違いで、最も重要なことは、実質的に、この2つは別物ということです。同じ企業の中でも、別ラインであり、販売職から総合職に異動する、総合職から販売職に異動するといったことは、滅多にありません。

 

製造業におけるブルーワーカー(工場スタッフ)とホワイトカラー(営業、経理、人事等)の違いと一緒です。

 

店舗スタッフとして働いている人が、同じ会社だからといってデザイナーやバイヤーになるのは、まず無理と考えてください。従って、デザイナーやMDとして働きたいと考えているのであれば、総合職として入社することが絶対条件となります。

 

ただし、総合職は販売職と比較して、そもそも求人枠が少ない職種なので、仕事を探そうと思っても、そう簡単にはみつかりません。販売職であれば、幾らでも求人があるので、仕事を始めるのは簡単なのですが・・・

 

総合職の場合、求人倍率が著しく高くなります。1名の募集枠に100人近い人が応募することも珍しくありません。そのなかで、内定を勝ち取るには、それ相応のスキルを身につけることが絶対条件となります。

 

具体的に、どういったスキルを身につければいいのかというのは、下記のカテゴリーにおいて、職種別にまとめていますので、そちらを参考にしてください。

 

販売職は年齢との戦い

総合職で仕事を得るのは難しいから、販売職として働こう。こんなふうに考える人もいるかもしれません。販売職であれば、すぐに仕事が見つかるので、その点は良いのですが、ここで安心するのは大間違いです。

 

販売職にも、厳しい現実があります。年齢の壁です。

 

アパレルショップの店員というのは、平均年齢が低い職種です。20代の店員が主力で、30歳を超えるとベテランとみられるような世界です。(プロスポーツ選手のようなものです。)

 

30歳を超えて店長になれない人というのは、結論から言えば辞めてかざるを得ない状況となります。はっきり首と言われることはありませんが、会社からの圧力が強くなりますし、周囲の人間と比べて、自分だけが年がいっているというのは、働く環境としては厳しいものです。(上司も全員、年下という状況に直面することも珍しくありません。)

 

年齢に合わせて給料が上がるわけでもなく、30代なかばで年収300万といった数字が普通です。家族がいたりしたら、食べていくのもキツイので、別の業種に転職せざるを得なくなるというわけです。

 

下記のページで、アルバイトとしてショップスタッフの仕事を始めた人が、キャリアアップをするための方法論についてまとめてあります。こちらを読んで頂くと分かりますが、最終的には年齢との戦いになります。

 

若いうちだけ働ければいいということであっても、30歳を超えるような年齢になってからの異業種への転職は大変です。どの業界でも、未経験者が雇ってもらえるのは20代のうちだけです。20代も後半になると、基準が厳しくなる業界もたくさんあります。

 

そう考えると、どの業界でも若いうちに土台を作るのが重要であり、将来的に異業種への転職を考えているのであれば、最初からアパレルの世界で働くのではなく、その業界で働いたほうが賢明です。