アパレルバイヤー

 

バイヤーというのは、会社の売上を左右する重要なポジションであるため、未経験者や新卒者がいきなり採用されるケースはありません。そのため、アパレルのバイヤーになりたければ、長い目でキャリアプランを考える必要があります。

 

では、具体的には、どんなふうに考えればいいのでしょうか? アパレルバイヤーを目指すうえで、頭に入れておくべきことをまとめてみます。

 

ショップ店員からバイヤーになれるのは小さな会社だけ

ネットで検索すると、バイヤーになる方法として最も目につくのがショップ販売員から働き始めてバイヤーになるというものです。バイヤーというのは、どんな商品が売れるのか精通していないといけないため、店頭での接客を通じて、必要な知識を蓄積していくことが重要だからというのが、その理由です。

 

これは理屈に合っていることで決して間違いではないのですが、注意しなければいけないことがあります。それは、ショップ店員からバイヤーになれるのは、小さな会社や歴史の浅い会社、もしくは組織がキチンとしていない『ちょっと大丈夫かな?』と不安になるような会社での話だということです。

 

誰でも知っているような大手有名アパレルブランドの場合、店員からバイヤーに昇格出来るというのは、極めてレアなケースと考えてください。

 

大手は販売職と総合職を明確に分けており、総合職として採用されないと、バイヤーのような本社業務に携わることは出来ません。

 

また、小さな会社でバイヤーになって経験を積んだとしても、大手はあまり評価しないので、転職するのも無理です。

 

つまり、販売員からバイヤーという選択肢を採った場合、バイヤーとしてのキャリアは、あくまでも中小ブランドのなかにとどまるということです。

 

大手にこだわらないという人であれば、特に問題はありませんが、大手を目指すという人は、あくまでも総合職として入社しなければいけません。ショップ店員という考えは捨ててください。

 

ちなみに中小ブランドであれば、販売員からバイヤーというのは、現実的な選択肢です。接客業の経験を積んで売れ筋の流れやユーザーの好みを把握出来るようになれば、少しずつ商品の仕入れ・買い付けにも関わらせてもらえるようになります。

 

そこから、売上管理やマーケットやトレンドの分析手法を学んで、スキルを高めていくことで、より大きな買い付けを担当出来るようになります。

 

大手アパレルブランドのバイヤーになるには?

大手ブランドでバイヤー職に就きたいという人は、繰り返しになりますが、総合職として入社することが必須条件です。

 

そのためには、アパレルの専門学校や大学の服飾科で専門知識を学ぶ必要があります。バイヤーやMDという職種にターゲットを絞った講座もあるので、そういった講座を選択してもいいですし、デザインの勉強をして、デザイナーや商品企画担当者として入社、そこからバイヤーを目指すという方法もあります。

 

ちなみに、新卒で総合職を目指す場合、一流大学を出ていれば、学部はどこでも大丈夫です。それよりも、どこの大学を出ているかというほうが大手の場合、重要です。有名ブランドや、大手セレクトショップ、アパレル商社のバイヤーとして活躍している人は、大半が一流大学卒です。ファッションに関する勉強を全くしてきていない人でも、基礎能力が高いと判断されれば新卒として採用してもらえます。これも、また現実です。

 

中途採用の場合、即戦力の人材を求める傾向が強いので、別業種でバイヤーとして活躍していたという人であれば、その経験はアパレルでも活きるので、転職に成功するチャンスは十分です。特に、海外仕入れの経験があるという人は有利です。

 

今までバイヤーの経験がない人が、中途採用で大手を狙う場合、いきなりバイヤーというのは無理です。こういった人は今の仕事を続けながら、専門学校の夜間講座などに通ってアパレルの知識を身につけたうえで、何かしらの職種で転職を目指すということになります。

 

職種は、今の自分の仕事と関係があるものであるのが理想的です。現在、営業マンとして働いているのであれば営業、生産管理の仕事に就いているのであれば、生産管理や品質管理といった感じです。

 

このあたりが全くマッチングしない、たとえば、現在飲食店でウェイトレスとして働いているといった人は、大手に中途で入るのは難しいと思います。そういった人は中小ブランドに店舗販売員として転職して、そこからバイヤーを目指すというのが現実的な選択となります。