画像出典:Mike Mozart
低価格でオシャレな商品を取り扱うスウェーデンのファストファッションブランド、H&M。日本でも、高い人気を誇るブランドであり、全国各地に店舗を展開、その数は日本進出数年で、既に50を超えています。
急激に事業を拡大していることもあり、積極的に採用募集をかけています。H&Mは新卒よりも中途をメインにしているため、中途採用の求人を見つけるのは簡単なのですが、探し方については、注意が必要です。
H&Mは、自社サイト内に採用情報ページを設置していて、そちらから、現在募集中の求人が検索できるようになっています。
ただし、このページで検索をかけると、販売スタッフの求人しか出てこないけど、転職エージェントに問い合わせたら、VMDや営業、ファイナンス、人事といった職種の求人が見つかったというケースもあります。
逆に、エージェントでは扱っていない求人が、公式サイトでは告知されていたというケースもあるので、H&Mの求人情報を確認する時には、公式サイトの求人情報ページ、転職エージェントの双方をチェックするようにしてください。
なお、エージェントに関しては、クリーデンス、ファッショーネ、リクルートエージェントといったところが、H&Mの求人案件の保有数が多いです。
目次
中途採用の募集内容・選考プロセスなどについて
H&Mにおける中途採用ですが、販売職と総合職に分かれており、販売職に関しては、アルバイト採用となる求人がメインとなっています。入社後、優秀な勤務実績をあげれば、正社員として再登用されるという仕組みです。
条件不問で誰でも応募可能なので、アパレル未経験者にとっては、自分の努力でチャンスを掴める採用形態と言えます。一方、販売職経験豊富な人の場合、正社員として採用されるケースが珍しくないので、このあたりの採用条件については、直接確認するようにしてください。
なお、H&Mは障がい者の雇用に積極的な企業であり、常時、障がい者採用枠が設けられているので、興味がある人は要チェックです。
一方、総合職に関しては、VMD、デザイナー、総務、経理といった職種を中心に募集がかかることが多くなっています。いずれにも該当職種に関する高いスキル、経験値を持つ即戦力の人材が求められています。
H&Mは外資系ということで、語学力が要求されるのではと思われるかもしれませんが、語学スキルが必須とされる求人は、海外勤務が想定されるポジションなど、ごく一部に限られるので、語学が苦手という人でも問題なしです。
勤務先地域については、総合職については、東京本社勤務となりますが、販売職については、全国各地の全店舗が対象となるので、地方勤務を希望することも可能です。
社員の年収・給与制度について
H&M社員の年収ですが、部門・採用方法によって異なってきます。幾つか、年収事例をあげると、下記の通りとなります。
【販売職部門】
- ストアスタッフ 新卒入社2年目 20代 年収210万円
- ストアスタッフ 中途入社4年目 29歳 年収230万円
- ストアマネージャー 中途入社2年目 26歳 年収300万円
- ストアマネージャー 中途入社2年目 30歳 年収500万円
【総合職部門】
- VMD 新卒入社5年目 20代 年収300万円
- 事務 中途入社7年目 34歳 年収380万円
- VMDマネージャー 中途入社2年目 30歳 年収350~500万円
販売員の場合、アルバイト採用の新卒者だと、給与や昇給額が少ないため、家庭を持つと辞めていく人が多くなっています。退職金、ボーナス、インセンティブが出ないことも早期退職者が増える原因と言えます。
社員への登用制度もあるのですが、アルバイト採用者はいくら社員になっても、殆ど給与が変わらないという状況です。有給などは取れる職場環境ですが、仕事量から考えると、収入は相場より低くなる可能性が高くなっています。
一方、中途採用者に関しては、前職の給与形態を引き継ぐ形で初任給が決まるので、それまでの勤務実績次第では、かなりの高収入を得ることも可能となっています。
実際、年収500万円を超えている社員も少なからず存在しますし、それぐらいの実績を出している人の場合、アルバイトではなく、正社員採用となります。
ただし、中途採用でも、未経験者の場合はアルバイト採用となり、給与がかなり安い状況となるので、アパレル経験がない人には、なかなか厳しい状況です。
総合職においては、販売職以上に実績主義となるので、特に中途の場合、年収格差が大きくなります。入社後の成果より、採用時の給与設定が以後の収入を左右することになるので、給与を重視する人は、転職する際の条件交渉で引かないことです。
H&Mの人事評価・昇給制度について
H&Mは昇給額が少ない会社なので、能力があって仕事量をこなしたとしても、給与が大幅にアップするということはありません。収入を増やすには、リーダー職、マネジメント職というふうに、キャリアアップすることが必要不可欠となります。
ただ、こういった背景があるため、H&Mでリーダー、マネージャーなどの管理職に就いている人は、能力が高い人ばかりです。部下の仕事をきちんと見ている人が多く、勤務評価を正当にしてもらえるので、やる気がある人にとっては、モチベーションを保ちやすい環境と口にする社員が多いです。
人を育てる文化が根付いている会社なので、上のポジションを目指そうとする時には、何かとサポートしてもらえるので、昇格を目指しやすい環境でもあります。(社内の研修制度も充実しています。)
逆に、受け身の人にはチャンスは回らないので、所得が増える可能性は殆どありません。結果的に、給与の低さから退職することになってしまうケースが少なくないのが実情です。
なお、ボーナスやインセンティブに関しては、殆ど期待出来ないと考えてください。そのため、社員全体の平均年収は、アパレル業界の給与相場を下回る傾向にあります。一部の社員は高年収なので、格差が大きい会社と言えます。
ワークライフ・バランス・女性の働きやすさについて
アパレル関係のため、土日出勤は仕方がないことですが、H&Mは社員の有給消化率が高く、残業も基本的に認めていないので、プライベートの時間は確保しやすい環境にあります。
ただし、残業が出来ないということは、勤務時間内に業務を終わらせる必要があることを意味します。決して、仕事量が少ないわけではないので、効率良く業務をこなさないと、仕事が出来ないと評価されてしまいます。その点は要注意です。
昇進に男女差は無く、マネージャーなどの管理職の大半が女性のため、女性にとっては、働きやすいと感じられる会社です。産休、育休、時短勤務などについても、小売業ではあり得ないほど、認められています。
男性が育休を取得することを受け入れる土壌も整っているので、子供を育てながら働きたいという人にとっては、理想的な環境と言えるでしょう。
H&Mの転職先としての評価
H&Mは、休暇をしっかり取れる会社ですし、残業も少ないので、ワークライフ・バランスという観点では、非常にレベルが高い会社です。勤務評価制度、社内教育制度もしっかりしているので、働きやすさ・やり甲斐という点でも、魅力を感じられる会社と言えます。
このように、労働環境については抜群なのですが、給与については同業他社よりも低めなので、そこはネックとなります。アパレルは元々、平均収入が決して高くない業界なので、そのなかでも低めというのは、なかなか厳しいです。
実績を積んで、昇格していけば、それに比例して給与もアップするので、H&Mで高収入を手にすることは可能ですが、あくまでも一部の人に限られるので、そこをどう考えるかによって、H&Mの転職先としての評価は、大きく変わってきます。
中途採用の場合、前職の給与がベースとなるので、それなりの額を取っている人は、H&Mに転職しても、その数字は維持されますが、入社後はポジションをアップ出来なければ、昇給は期待出来ないので、自分が出世出来るのかということも考えながら、転職の是非を判断する必要があります。
なかなか、自分で判断を下すのは難しいかもしれませんが、その時には、アパレルブランドの転職事情に精通している転職エージェントに相談することをオススメします。彼らは転職のプロなので、客観的な視点で評価してくれます。
場合によっては、H&Mよりも、好条件の会社を紹介してもらえますし、H&Mへの転職を目指すと決まった時には、採用面接を通過するためのサポートを受けたり、給与額について交渉してもらうことも可能です。
相談をして損はないので、積極的に活用してください。冒頭でもふれましたが、クリーデンス、ファッショーネ、リクルートエージェントは、H&Mの求人案件の取り扱い数が多いですし、アパレル業界の転職市場動向に明るいので、相談先としてオススメです。