呉服・振り袖など、着物の販売・レンタル事業、及び、結婚式場の運営事業を展開する一蔵。1991年創業と比較的、若い企業ですが、着物に関する潜在ニーズを掘り起こすため、着方教室やイベントを開催すると、地に足が付いた取り組みを、地道に続けています。
そういった会社の姿勢は、着実に成果に結びついており、市場環境が厳しい業界であるにも関わらず、業績を順調に伸ばし、2015年には東証二部への上場を果たすまでになっています。
その後も、売上高・利益高は、上昇ペースを維持しています。2017年の決算では、2013年期の50%増しとなるなど、好調です。
そういった状況を反映して、人材募集の動きが活発化しており、中途採用に関しても、様々な職種を対象として、求人が発生しています。アパレルメーカーとしては、まずまずの待遇面となっているので、関心がある人は、ぜひチェックしてみてください。
このページでは、一蔵の中途採用求人の傾向、及び、社員の年収・給与水準、社内の就労環境などについてまとめていますので、参考にしてください。
目次
一蔵の中途採用求人の傾向
中途採用に関しては、呉服店舗のショップスタッフ、着方教室の講師、結婚式場の運営スタッフ、ウェディングプランナー(営業)、カメラマン、本社勤務の管理スタッフ(人事、経理財務、経営企画、マーケティング、法務、社内システム)などが募集されています。
店長、支配人等、マネージャークラスの求人に関しても、それなりの数となります。応募条件に関しては、求人ごとにバラバラです。経歴・職歴不問といった未経験者でも応募出来る求人もあれば、経験豊富な人でなければ、応募出来ないものもあります。
そのため、応募条件の詳細については、個々に確認するようにしてください。なお、マネージャーレベルとなると、実務経験を有するのはもちろんのこと、マネジメント経験が要求されることもあり、ハードルは高めとなります。
求人情報の入手方法
一蔵の公式サイト内に、採用情報ページが開設されており、そちらから、現在、募集がかかっている中途採用求人の職種一覧、及び、募集要項について確認することが出来ます。
http://saiyo.ichikura.jp/career/
また、一蔵は、転職会社経由でも、中途採用の募集をかけているので、転職会社に問い合わせる形でも、求人情報を入手することが出来ます。
一蔵の公式サイト、転職会社、いずれにおいても、入手出来る情報は一緒ですが、転職会社の場合、様々な企業の求人情報を抱えているので、一蔵だけでなく、ほかの会社の求人についても知りたいということであれば、まとめて情報を教えてもらえるので便利です。
(希望条件を伝えて、それらの条件に合致する求人をリストアップしてもらうといったことも可能なので、自分で探す手間が省けて、かなり楽です。)
このページの最後に、一蔵の中途採用求人を扱っている代表的な転職会社をリストアップしておきますので、興味があれば、連絡を取ってみてください。
社員の年収・給与制度について
一蔵に勤務する社員の給与水準ですが、職種別に、具体的な年収事例を挙げると、下記の通りとなります。
【販売職】
- 20代 販売員(アルバイト) 年収100万円
- 20代 ショップスタッフ(契約社員) 年収330万円
- 20代 販売スタッフ 年収400万円
- 27歳 店長 年収500万円
- 34歳 スーパーバイザー 年収650万円
【総合職】
- 27歳 営業事務 年収390万円
- 20代 営業企画 年収520万円
- 20代 財務 年収450万円
- 20代 営業 年収500万円
- 35歳 営業マネージャー 年収700万円
- 38歳 営業マネージャー 年収900万円
- 24歳 撮影アシスタント 年収250万円
- 29歳 撮影スタッフ 年収400万円
一蔵の給与体系ですが、元々は月給制でしたが、2015年に上場した時点で、12分割されたものが毎月支給される年俸制に切り替わりました。同時に、みなし残業が導入され、残業代は、年俸のなかに含まれるという形になっています。
また、営業、ウェディングプランナーなど、一部の職種においては、年俸とは別に、半期に一度、インセンティブをもらえる制度が設けられています。特に、営業職は、インセンティブが多額となるので、自分の努力次第で、同僚を大きく上回る給与を手にすることが可能です。
昇給については、年に2回、給与の見直しがなされる機会がありますが、平均より良い結果を出して、給与がアップしたとしても、少額しか上がらないケースが大半を占めています。
その反面、上記の年収事例を見ても明らかなように、一蔵は、管理職に就けば、大幅に給与が上がる会社なので、そういった意味では、やり甲斐があります。
福利厚生については、退職金制度、社員割引制度、施設利用制度が用意されていますが、年俸制へ移行した時点で、家族手当の支給額が減らされるなど、年々、渋くなっています。
今後も、この傾向が続く可能性が大なので、一蔵の待遇面をチェックする時には、この点も考慮してください。(より実績の主義の給与体系になっていくと考えたほうがいいです。)
一蔵の評価制度について
一蔵では、先ほど触れた年俸制への移行に伴い、人事評価制度も一新され、半期に一度、直属の上司と目標を決めて、その目標をどれだけ達成出来たかで、査定が決まるMBO評価制度が導入されました。
その評価内容で、昇進、昇給、インセンティブの支給額が決まることになります。成果主義が強く打ち出されており、結果を残せば、管理職に就くことが可能な会社なので、年齢や経歴を問わず、誰にでもキャリアアップのチャンスがあります。
ただし、目標を達成出来たとしても、それだけでは評価はプラスとはならず、現状維持です。目標ラインを大きく超えないと、プラス査定にはならないので注意してください。
なお、一蔵の場合、目標設定のハードルは、それほど高くはないので、プラス査定を狙うことは、十分に可能ですが、逆に言えば、会社から割り当てられた目標を達成することで満足してしまう人にはチャンスがないということなので、常に上を目指すことが重要です。
いずれにしても、実力勝負の会社となり、優秀な社員に発言権が与えられているので、自分の実力で勝負したい人にとっては、結果に対する見返りも大きく、かなり面白味を感じるのではと思います。
一方、ノンビリ、自分のペースで働きたいという人にとっては、結果に対するプレッシャーがキツく、居心地の悪さを感じてしまうかもしれないので、注意してください。
教育制度・成長環境について
一蔵では、商品知識や基本スキルを学ぶための基礎研修制度が用意されており、入社した時に受講することになります。(中途の場合、経歴次第では、省かれるケースもあります。)
その後は、部署ごとに、年に数回の勉強会が開催されていますが、それ以外では、特に、研修と呼べるようなものはなく、座学で学ぶ機会は少ない会社と考えてください。
そのかわり、一蔵は現場における指導がしっかりしているので、スキル・経験面で不安がある人でも問題なしです。(仕事を通じて、必要なことを習得することが出来ます。)
また、一蔵は社員の自主性を大切にする会社であり、自分から志望すれば、様々な業務に携わることが出来るので、仕事を通じて、幅広い経験を積むことが可能です。
新事業のアイディアを出して、認められれば、自分が責任者として、関与することが出来るので、物事を企画して、形にするような仕事がしてみたいという人にも、オススメの会社です。
もう一つ、成長という観点で見た場合の一蔵のメリットとして、この会社では、マネージャークラス(店長、支配人、課長など)の人間も、経営的なことにかかわる機会が増えるため、事業運営の経験がしてみたいという人にとっても、格好の環境と言えます。
ワークライフバランスについて
一蔵は、職種や部署によって、多少の差がありますが、業務量が多い会社なので、残業は避けられないと考えてください。特に、営業部門においては、深夜まで残業が続いたり、イベントやフェスで、休日に出勤することになったりということが、常態化しています。
こういった状況なので、ワークライフバランスを重視する人だと、不満を感じてしまう可能性が高いです。
管理職に就くと、さらに状況が悪くなり、仕事量が増えることに加えて、休日にも、顧客からの問い合わせや急な仕事が入るといったことが日常茶飯事となるため、オンとオフの境目がなくなってしまうような状況です。
そんななかでも、任された仕事をきちんとこなしつつ、周りのスタッフとの人間関係を良好に保つことで、自分の時間を確保している人もいるので、やり方次第では、プライベートを充実させることも出来ますが、基本的にはワークライフバランスは期待出来ないと考えておいたほうがいいです。
女性の働きやすさについて
一蔵は、仕事の内容や昇進・昇給の機会に関して、男女差が全くない会社なので、女性も男性と同じように、第一線で働くことが出来ますし、そこで、結果を出せば、管理職へ昇進することも可能です。(実際、一蔵には管理職として活躍している女性社員が多数存在します。)
なお、女性役員については、現時点(2017年末現在)においては、まだゼロですが、会社の方針として、女性の登用に力を入れており、近い将来、女性役員が誕生する可能性が高いので、経営層へのキャリアアップを狙える余地もある会社と言えます。
しかしながら、先ほども述べたように、一蔵は、昇進するに連れて、仕事量が増える会社であり、女性だからといって、業務を減らしてもらえることはありません。
そのため、管理職に就くとなると、ハードワークをこなすことになるので、この点は覚悟しておいたほうがいいです。(家族持ちで、家庭のことにも時間を割きたいということだと、相当、効率良く仕事を回さないと厳しいです。)
一方、育児支援体制については、産休・育休といった制度が整備されており、申請通りに取得出来ます。実際に、利用している社員が多いですし、職場の雰囲気としても、それを良しとしているので、子育てをしながら働くことで、余計なストレスを感じることはないでしょう。
ちなみに、一蔵では、介護休暇制度も用意されているのですが、こちらについては理解がない上司もおり、そういった上司のもとだと、全く利用出来ない状況となっているので、今後取得する可能性が少しでもある人は、転職を決める前に、現状を確認しておくことをオススメします。
(会社側に問い合わせても、こういった耳障りが悪いことに対しては、明快な返事がもらえない時がありますが、そういった時には、転職会社に聞くといいです。転職会社は、こういった利害関係はないので、客観的な立場で教えてくれます。)
一蔵の転職先としての価値
ここまで、一蔵の就労環境について、様々な角度から見てきましたが、成果主義が好きな人にとっては、やり甲斐がある会社であることは間違いありません。(実績を挙げれば、発言権が強くなるので、自分の思うように、仕事が出来るようになるというのも大きなメリットです。)
また、仕事を通じて、自分を成長させることが出来る職場でもあるので、スキルアップを目指す人にも、オススメの会社です。
ただし、仕事の量が多い会社なので、ワークライフバランスに関しては、期待出来ないですし、プライベートを犠牲するに見合うだけの給与がもらえるかというのも、微妙な点があります。
でも、実力は付けられるので、この会社で得たスキル・知識を土台に、より好条件の会社に再転職するといったキャリアパスも描けるので、そう考えると、一蔵で働く機会を持つというのは、長期的目線で見ると、悪くないという捉え方も出来ます。
こうやって見ていくと、一蔵の転職先としての価値は、その人の考え方次第と言えるで、自分自身の価値観と照らしあわせながら、判断を下すようにしてください。
最後に、一蔵の中途採用求人を扱っている転職会社をリストアップしておきますが、彼らは社内事情に精通しているので、このあたりの判断に迷うことがあれば、相談してみてください。プロの視点で、アドバイスしてくれるので、参考になるはずです。
また、上述したように、転職会社は様々な企業の求人案件を保有しているので、他社の求人を紹介してもらうのもアリです。もしかしたら、一蔵以上に魅力的な会社が見つかるかもしれないので、興味があれば、ぜひ、他社のことについても、話をしてみてください。
<一蔵の中途採用求人を扱っている転職会社>
※補足1
このなかで、『リクルートエージェント』、『マイナビエージェント』の2社については、総合系の転職会社なので、様々な業種の企業の求人案件を押さえています。もし、アパレル以外の業種の会社に興味があるようでしたら、この2社に相談してみてください。
※補足2
転職を目指す会社が決まった場合、年収などの条件交渉を代行してもらうことも出来ます。年収アップに成功するケースが少なくないので、ぜひこういったサポートも受けてみてください。