アパレル、介護、どちらも違う業種から転職してくる人が多い業界ですが、アパレル→介護、介護→アパレルというのは、非常に多いキャリアパスです。どちらも求人数が多く、かつ未経験者が採用されやすい職種であるというのが、その背景にあるのだと思います。
※補足)
アパレルに関しては販売職に限ったうえでの話となります。総合職だと、そう簡単に仕事に就くことは出来ないので、また事情が違ってきます。
また、アパレルと介護というのは、どちらもサービス業であり、顧客のことを思いやりながら取り組む仕事であることでは共通しているので、全く違う分野でありながら、それぞれの経験を活かせるということもあります。
ただし、だからといって、安易に転職を繰り返すのは禁物です。若いうちは、特に問題にはなりませんが、年齢が上がってくるに連れ、プロフェッショナルでないと生き残れなくなってきます。40代を超えると、その傾向は強くなり、即戦力とみなされるような人でないと、仕事に就けなくなります。
そのためには、色々な業種を渡り歩くのではなく、一つの分野に腰を落ち着けて、経験を積み重ねていく必要があります。25~26歳ぐらいまでであれば、自分がキャリアを追求する分野を決めるための時期と割り切って、色々な仕事に挑戦してみるのもアリです。
しかしながら、30歳前後の時点で定まっていないようだと、かなり危ういです。早い段階で、自分が勝負するフィールドを決めることを意識してください。では、介護とアパレルを比べてみた場合、どちらにすべきなのか?
答えは、もちろん、その人の考え方次第、目指すべきものによって違ってくるのですが、一般的な話として、それぞれの業界の傾向や特徴についてまとめてみますので、キャリアについて考える際に、参考にしてください。
アパレル業界の特徴
アパレルというと、若い店員さんが多いイメージがあると思いますが、これは実際にそうであり、30代にもなると、ベテランの域に入ってきます。35歳を過ぎて、店長になっていないスタッフというのは、リストラ候補です。
そして、40歳を超えたら、エリアマネージャーや本社勤めの総合職などに就いていないと、仕事を続けるのは難しいです。要は、それだけ年齢がネックになってくる業界ということです。
20代のうちに結果を出して、ポジションを上げていかないと、まず生き残れないと考えてください。うまくいって、契約社員で年収300万円といったところが関の山です。
こういった業界なので、転職するのも20代がMAX、出来れば25歳ぐらいまでに留めておきたいところです。そう考えると、介護とアパレルで迷っているということであれば、とりあえず、アパレルに挑戦してみたほうがいいです。
後ほど、改めて触れますが、介護であれば、ある程度、年齢がいっても採用してもらえるので、アパレル→介護という転職はやりやすいのですが、逆は年齢がネックになる可能性が高いです。
数年、アパレルで働いてみて、ずっと、この業界で働き続けたいと思えるのか、かつ、ポジションを上げていけるのかということを見極める期間にするといいです。
介護業界の特徴
一方、介護ですが、慢性的に人材不足が続いている業界なので、異業種からの転職は容易です。前職がアパレルということであれば、なおさらです。接客経験を買われて、すぐに採用が決まることでしょう。
無資格、未経験でも採用されるチャンスが十分にありますし、介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)などの資格を持っていれば確実です。40代、50代の未経験者でも、資格があれば、何らかの仕事には就ける状況なので、そういった意味では、転職がやりやすい業種と考えてください。
介護業界の求人情報をまとめたサイトなどをチェックすれば、幾らでも仕事が見つかるので、確認してみてください。
ただし、これはあくまでも仕事が出来るというだけの話です。未経験で、年齢もいっているとなると、給与は低くなります。(年収250万前後になってもおかしくありません。)
40歳ぐらいで、ずっと介護業界で働いてきたという人だと、20年近くの経験があるので、仮に現場のヘルパー(一般企業で言う平社員)だったとしても、年収は400万円以上には、確実になっています。
また、実際には、こういった人だと、間違いなく、現場の主任クラスや管理職に就いているので、そうなると、500万、600万といった年収も見えてきます。
介護は平均収入が低い業界と言われていますが、実力主義の世界なので、仕事で結果を出せば、それに見合うものがついてきます。他業種と比較すると、たしかに初任給は安いのですが、ポジションをアップしていけば、それなりの年収にはなるので、やり甲斐がある業界とも言えます。
30代、40代で初めて飛び込んだとしても、これは一緒であり、実績を出せば幾らでも出世出来るので、出発点が遅くても大丈夫です。
そういった意味では、あまり焦る必要がないとも言えるので、介護以外に何かやりたい仕事があるのであれば、まずはそちらを優先するというのが、現実的な考え方です。
でも、介護も経験がモノを言う仕事なので、早いうちから取り組むに越したことはありません。介護の仕事に興味があるのであれば、回り道をせずに飛び込むことをオススメします。
また、違う業界で働いた後に転職する場合、資格を持っているかどうかで、選択肢の幅が違ってくるので、現職で働く続けるなかで、介護の資格を取る勉強をするのもアリです。
ただし、資格を取るために仕事を離れるというのはNGです。社会人としてのブランクが空くと、評価が悪くなるのは、どの業界でも一緒なので、仮に今の仕事が激務で、とてもだけど、資格のための勉強時間なんて取れないということであれば、無資格で働ける職場を探すようにしてください。
介護の場合、資格取得のための費用を会社が支給するなど、バックアップしてくれるケースが多いので、こういった会社に転職して、働きながら資格を取ったほうが合理的です。