画像出典:lena watanabe
1920年代にイタリア有数の靴の生産地、マルケ州において設立され、以降、3代に渡って続く、イタリアのシューメーカー、トッズ。1980年代以降、積極的な海外展開を進めることで、世界的な人気ブランドとなりました。
独自のデザインで人気を博したドライビングシューズ、ゴンミーノ・モカシンを始め、シューズ、バッグ、革小物、ウエアなどの皮革製品を主要商品としていますが、現在もその製品は、伝統的技術を継承する職人達が、一点一点手づくりで製作しています。
そのトッズの日本法人として、日本国内における、輸入・販売事業を行っているのが、トッズ・ジャパン株式会社。現在、従業員約150名を抱え、首都圏を中心として、日本各地に直営店を展開するとともに、百貨店や大型ショッピングモールにも、出店しています。
日本では大々的な広告を打っていないため、他のアパレルメーカーと比較すると、知名度はそれほど高くありませんが、中高年を中心に、長く愛好しているファンが多く、安定した業績を上げている会社です。
このページでは、トッズ・ジャパンの中途採用求人の傾向、及び、社員の年収、就労環境についてまとめていますので、参考にしてください。
目次
トッズ・ジャパンの中途採用求人の傾向
トッズ・ジャパンでは新卒採用は、基本的に行わず、中途採用を活用して、人材を確保しています。そのため、社員規模と比較すると、求人の発生頻度は高いです。
ただし、求人が出たとしても、募集数は1名というケースが大半なので、チャンスは限られています。希望職種において、求人が見つかった時には、詳細について問い合わせるなり、応募するなり、すぐに行動することをオススメします。
なお、募集対象となる職種は、ストアスタッフ・店長(国内の全店舗が対象)、及び、本社勤務となる総合職(商品企画、営業、マーケティング、バイヤー、エリアマネージャー、MD、経理財務、人事、経営企画など)が、主なものとなります。
応募条件に関しては、ショップスタッフについては、それほど厳しくなく、業界未経験者や第2新卒でも応募可能ですが、社会人経験が12年未満とされているケースが多いです。
一方、店長候補、及び、本社スタッフを募集する求人に対しては、要実務経験となり、ハードルが高くなります。特に、後者に関しては、該当業務に関する幅広い知識・経験を有していることが要求され、最低でも5年以上の実務経験が必須になってきます。
また、求人によっては、英語力に関しても、交渉・折衝が可能なレベルが求められることになります。(ちなみに、本国とのやりとりについても、英語で行われるので、イタリア語が出来なくても問題なしですが、英語・イタリア語の2カ国語が操れると、転職時に有利に働く可能性アリです。)
求人情報を入手する方法
トッズ本社の公式サイトには、転職者希望者がレジュメを送付する形で、応募出来るフォームが設置されていますが、募集要項などについては、公開されていません。
トッズ・ジャパンは、転職エージェント経由で、求人を告知するケースが多く、そちらであれば、募集要項も公開されているので、詳細について知りたい時には、転職エージェントに問い合わせるのがベストです。
このページの最後に、トッズ・ジャパンの求人案件の取り扱い実績がある転職エージェントをリストアップしておきますので、参考にしてください。
なお、ストアスタッフであればともかく、本社勤務の総合職については、自分が希望する職種で、すんなり求人が見つかるケースは少ないのですが、その時には、求職者登録(会員登録)をしておくことをオススメします。(新規求人が発生した時に、メールで通知してもらえます。)
トッズ・ジャパンの社員の年収・給与制度について
トッズ・ジャパンに勤務する社員の年収額ですが、職種別に幾つか具体例を挙げると、下記の通りとなります。外資ラグジュアリー業界のなかにおける、ごく平均的と言える、給与レベルとなりますが、役職に就くと、一気に年収が上がる会社です。
- 販売 26歳 男性 年収 240万円
- 販売 28歳 女性 年収 400万円
- 販売 30歳 女性 年収 340万円
- 販売 32歳 男性 年収 420万円
- 販売 37歳 女性 年収 300万円
- 店長 31歳 女性 年収 550万円
- 店長 34歳 女性 年収 500万円
- MD 38歳 女性 年収 550万円
- 営業 42歳 女性 年収 600万円
- 営業 課長 39歳 女性 年収700万円
- 管理部 43歳 部長 女性 年収 800万円
- 経理財務 48歳 女性 年収550万円
- 経理財務 41歳 課長 女性 年収680万円
給与体系としては、店舗スタッフ、本社スタッフ、いずれも年俸制が採用されています。昇給は年1回ありますが、店舗スタッフだと、何年間も『昇給なし』というケースが珍しくありません。
そのかわりとして、店舗スタッフに対しては、年4回、セールスインセンティブが支給されていますが、これは、あくまでも各店舗の予算達成に対するものであり、個人ごとの売り上げに対するインセンティブではないので、注意してください。
なお、トッズ・ジャパンは、アパレルブランドということもあり、社販制度が用意されていますが、割引率は、他社ほどではないようです。また、他社ではよくあるような、大幅に割引される特別社販といった機会もないので、社販という点においては、あまり期待しないほうがいいです。
そのかわり、店舗スタッフに対しては、各自に制服が貸与されるので、自腹で購入する必要はなく、ここの費用は避けることが出来ます。
給与に関して、中途採用で入社する時の注意点
転職する時には、前職までの経歴、本人の能力などを加味して、給与額が決められることになりますが、この金額は交渉次第で大きく変わってきます。特に、トッズ・ジャパンは外資ということもあり、しっかり自分をアピール出来る人ほど、好条件を引き出せる傾向があります。
先ほども触れたように、トッズ・ジャパンは、簡単には昇給しない会社なので、面接時の給与交渉が非常に重要になってきます。(店舗スタッフであれば、なおさらです。)そのため、中途半端に妥協することなく、納得出来るまで、会社側と話し合うようにしてください。
もし、こういった交渉が苦手ということであれば、転職エージェントに代行してもらうことをオススメします。彼らは、転職のプロであり、こういった交渉事に慣れているので、うまく交渉してくれます。
もちろん、エージェントも会社側に対して、希望条件を100%受け入れさせるというのは、まず無理ですが、何らかの上積みを引き出せるぐらいのことはしてくれるので、最初から任せてしまったほうが賢明です。
このページの最後に、トッズ・ジャパンの中途採用求人の取扱実績がある転職エージェントをリストアップしておきますので、参考にしてください。
トッズ・ジャパンの評価制度について
トッズ・ジャパンでは、直属の上司による1次評価、及び、店舗スタッフであれば、担当エリアのマネージャー、総合職であれば部門長による2次評価を行い、それらの評価を踏まえて、本社の人事で、最終評価を下すという流れの評価制度が取り入られています。
ただし、それほど明確な評価基準が存在しているわけでないうえ、最終評価においては、スタッフ個人の実績ではなく、所属先店舗・部署の業績(前者に関しては、店舗予算達成の有無)のほうが重視されています。
そのため、個人の評価に関しては、直属の上司による評価が、そのまま最終評価に反映されるケースが多いです。
評価における上司の権限が大きく、日頃からコミュニケーションを取って、意思疎通をしておかないと、思わぬ低評価を受けることがあるので、注意してください。
(高評価を得るには、上司との関係性など、仕事のパフォーマンス以外の部分についても、日頃から気を配っておいたほうがいいです。)
トッズ・ジャパンの教育制度について
トッズ・ジャパンは、中途採用を基本としていることもあり、教育環境はそれほど充実してはいません。入社した時に、本社で2日間程度の導入研修を受けることになりますが、それ以外には、何もなく、日常業務をこなすなかで、自分自身で、仕事に必要な知識を習得していくことになります。
極端な言い方をすれば、ほったらかしということになりますが、逆に言えば、周囲からのフォローがなくても、業務に対応出来るようなスキル・経験を持つ即戦力の人材が、トッズ・ジャパンでは求められていると考えてください。
(ストアスタッフとして、転職した人のなかには、入社1日目から、いきなり現場に入って、1人で接客を担当させられたという経験を持つ人が少なくありません。)
キャリアパスについて
また、キャリアパスに関しても、トッズ・ジャパンは、あまりよろしくはない状況です。最低でも5年程度は働いていないと、昇格について考慮してもらえることはなく、昇格のタイミングも限られているため、キャリアアップのチャンスは多いとは言えません。
また、他社で見受けられるような、異職種への社内異動(販売職からMDなど)についても、そういった事例はほとんどないので、様々な業務を経験したい人、キャリア志向が強い人にとっては、あまり満足出来る環境とは言えないというのが、正直なところです。
ワークライフバランスについて
アパレル企業の場合、サービス残業を強いられるケースが少なくありませんが、そのなかにおいては、トッズ・ジャパンは、残業自体が少ない、貴重な存在です。会社自体がしっかり休むことを推奨しているということもあり、定時に退社している人が多く、ワークライフバランスは良好です。
また、店舗スタッフの場合、シフト勤務となりますが、休みの希望が通りやすいうえ、夏休みとして1週間の連続休暇がもらえます。さらに、スタッフの人員体制に余裕のある店舗だと、土日の連休や、毎月1回、2~3連休を取得するようなことも、許されています。
もちろん、店長クラスになると、仕事量が増えたり、トラブル対応などで、休日に出勤したりといったことはありますが、他社と比べれば、それほどではないので、上級職に就いたとしても、プライベートの時間をしっかり確保出来ると考えて、間違いなしです。
女性の働きやすさについて
トッズ・ジャパンは、店舗スタッフのみならず、本社勤務の総合職においても、女性社員が8割を占めるという、完全に女性が主役となる会社です。役職者も女性が大半のため、当然、男女差別はなく、女性にとっては、働きやすい環境と言えます。
年間休日120日、週休2日に加え、傷病休暇が年4日あるため、有休を犠牲にしなくても、休みやすいほか、産休・育休・時短勤務といった育児支援制度も整っているため、出産後に働き続けている女性が多いです。
ただし、女性が多い会社であるにもかかわらず、子育てに対する周囲のサポートは、それほど期待出来ないため、時短勤務が終わった後には、子供を育てながら働くのは難しい面もあり、時短勤務可能な期間が終わると同時に、退職する人が多いのも現状です。
トッズ・ジャパンの転職先としての価値
ここまで、トッズ・ジャパンの就労環境について、様々な角度から見てきましたが、長所もあれば、短所もある会社なので、自分が転職先に望む要素を満たしている企業なのかどうか、冷静に見極めたうえで、転職の判断を下すようにしてください。
(当サイト管理人、個人の意見としては、プライベートを重視する人にとっては、転職先として検討するだけの価値がある会社ですが、キャリア志向が強い人にとっては、あまり満足がいく会社ではないと思います。)
下記に、トッズ・ジャパンの中途採用求人を扱っている転職エージェントをリストアップしておきますが、彼らは社内事情に精通しているので、このあたりの判断に迷うようでしたら、ぜひ一度相談してみてください。(客観的な視点でアドバイスしてくれるので、参考になります。)
また、エージェントは様々な企業の求人情報を押さえているので、他社のことについて、聞いてみるのもアリです。もしかしたら、トッズ・ジャパン以上に魅力的な求人を紹介してもらえるかもしれないので、興味がある人は、色々と話をしてみてください。