マルニジャパンの中途採用事情

 

イタリアのファーメーカー『CiwiFurs』の社長夫人であり、同社のファッションコンサルタントであったコンスエロ・カスティリオーニによって設立された、イタリアのファッションブランド、マルニ。

 

幼さの残るロマンティックな雰囲気、贅沢な素材使い、明るい配色を特徴としており、優しくかわいい印象をアピールできるブランドとして、日本においても、人気を博しています。

 

日本市場に進出したのは2000年ですが、デザインセンスや素材感が、日本人の感覚にうまくマッチしたこともあり、今現在においても、日本が最も売上高が高い国となっています。

 

そういった背景もあり、マルニは日本市場に力を入れており、日本における事業を統括するマルニジャパンは、元々、オンワード樫山の子会社バスストップとの合弁会社として設立されましたが、2008年に合弁契約を解消、マルニが100%子会社化しました。

 

なお、働く側から見た場合のマルニですが、社員の自主性を尊重する会社として知られており、『自分らしく働けるので、やり甲斐がある』という声が、非常に多くなっています。

 

社員の定着率を上げるため、2017年からは、契約社員として働いていた販売スタッフの雇用形態を正社員に変えるなど、長く働き続けることが出来る環境作りを推し進めています。

 

給与など、待遇面については、まだまだという部分もあるのですが、ここも改善傾向にあるので、アパレル業界で転職先を探すのであれば、マルニジャパンは、候補の一つとしてオススメです。

 

このページでは、マルニジャパンの中途採用求人の傾向、及び、社員の給与水準、就労環境などについてまとめていますので、転職活動の際に、参考にしてください。

 

目次

マルニジャパンの中途採用求人の傾向

マルニジャパンでは、販売職を中心に、営業、MD、PR、カスタマーサービスといった職種において、求人が発生しています。

 

雇用形態に関しては、正社員・契約社員のいずれかとなる求人が大半を占めますが、冒頭でも触れたように、契約社員を正社員に切り替えるといった施策を行っているので、今後は、中途採用での募集に関しては、正社員に統一される可能性が高いです。

 

なお、仮に、契約社員として入社した場合においても、マルニジャパンは、正社員登用制度を設けているので、将来的に、正社員として、再雇用されるチャンスがあります。

 

応募条件については、該当業務に関する実務経験が必須とする求人から、アパレル業界での就労経験があれば、前職と違う職種での勤務経験でも応募可能とする求人まで、幅広くなっているので、詳細については、個々に確認するようにしてください。

 

(職種によっては、英語やイタリア語など、語学スキルを有することが、応募条件に加わることもあります。)

 

また、稀に、マネージャー候補としての採用となる求人が出てくることがありますが、こちらだと、実務経験を有するのはもちろんのこと(3年以上、5年以上というふうに、必要となる経験年数は長めです)、マネジメント経験も求められることになるので、ハードルは高めになると考えてください。

 

求人情報の入手方法

マルニジャパンでは、自社サイト内には、採用情報ページを用意しておらず、マルニジャパンが傘下に入っているOTBグループからの公式サイトにアクセスすることで、求人情報を入手出来るようになっています。
https://www.otb.net/people/career/

 

ただし、海外本社が運営しているサイトのため、全て英語表記となっているため、英語が苦手な人にとっては、読むのが大変です。

 

また、サイト自体の作りも日本人にとっては、馴染みがないものとなっているので、慣れていない人だと、かなり分かりにくく、英語圏のサイトに慣れている人でないと、求人情報を探し出すのに、相当苦労すると思います。

 

そのため、公式サイトをチェックするのは、あまりオススメ出来ません。

 

マルニジャパンは、日本国内の転職会社経由でも、募集をかけており、問い合わせれば、求人情報を教えてくれるので、こちらのほうが、情報源としてオススメです。このページの最後に、代表的な転職会社をリストアップしておきますので、連絡を取ってみてください。

 

なお、転職会社は、様々な企業の情報を扱っているので、マルニジャパンだけでなく、他社の求人のことについても、知りたいという時には、その旨を伝えることで、まとめて教えてもらうことも出来ます。

 

社員の年収・給与制度について

マルニジャパンに勤務する社員の給与水準ですが、職種別に、いくつか年収事例を挙げると、下記の通りとなります。

 

  • スタッフ 27歳 年収290万円
  • スタッフ 30歳 年収280万円
  • スタッフ 34歳 年収280万円
  • スタッフ 35歳 年収300万円
  • 店長 46歳 年収450万円

 

マルニジャパンでは、年俸制が採用されており、年俸額を12分割したものが、毎月支払われる仕組みとなっています。また、年俸とは別に、優秀な実績、パフォーマンスを挙げれば、インセンティブを受け取ることが出来ます。

 

(個人としての実績、及び、所属先店舗・部署の実績の双方が、考慮されます。)

 

残業代に関しては、月に20時間分が、みなし残業として年俸に含まれており、20時間を超えたものについては、実働分が全額支給される仕組みとなっています。

 

昇給については、年1回、3月に給与が見直される機会が用意されていますが、昇進しない限り、給与が大幅にアップすることは少ないです。

 

福利厚生に関しては、雇用、労災、健康、厚生年金といった社会保険が完備されているほか、社員割引制度や社員の家族が商品を安く買うことが出来るファミリーセール制度などが、設けられています。

 

これらを含めた、マルニジャパンの給与水準ですが、同業他社と比較すると、販売職だと、少し低め、総合職だと、ほぼ変わらず(業界標準)です。

 

ただし、先ほども触れたように、マネージャークラスになると、大きく給与がアップする会社であり、実際、年収800万円を越えているような人もいるので、そういった意味では、希望があります。

 

中途採用で入社する時の注意点

中途採用者の場合、前職の経歴や実績をベースに、基本給が算出されることになりますが、ここは、会社側との話し合い次第という要素もあるので、マルニジャパンから提示された金額に、納得がいかない時には、自分の希望額を伝えて、交渉することをオススメします。

 

前述したように、マルニジャパンは、ポジションが変わらない限り、給与が上がりにくいため、入社時に決まった数字が後々まで、付いて回ることになります。そのため、交渉の時に、下手に妥協してしまうと、後悔することになりかねないので、注意してください。

 

もし、こういった交渉を、どう進めていいのか分からないということであれば、前述した転職会社に代行を依頼することをオススメします。

 

彼らは転職のプロであり、この手の交渉経験が豊富なので、状況に合わせて、うまく会社側と話をしてくれますし、実際に、条件アップに成功するケースが多々あるので、交渉が苦手な人は、最初から任せてしまったほうが賢明です。

 

マルニジャパンの評価制度について

マルニジャパンの評価制度ですが、売上や実績などの数字や勤務態度などベースに、直属の上司が査定を行っています。

 

会社としての統一された評価項目が、明確に定まっていないこともあって、査定者の権限が強くなっており、上司の意向によって、評価の基準が変わる傾向があります。

 

そのため、日頃から、上司と適切にコミュニケーションを取って、上司が重視していることを、正確に把握したうえで、その役割を果たすことが、高評価を得るうえでは重要なことなので、このことを頭に入れながら、働くことをオススメします。

 

なお、先ほども触れたように、マルニジャパンでは、店舗目標(部署)・個人目標の達成率に応じて、インセンティブが支給されることになりますが、その目標として、個人に課せられるノルマが設定されているので、マイペースで働きたい人にとっては、プレッシャーになる可能性が高いです。

 

一方、そこで結果を出せば、インセンティブによって、所得が上がりますし、上司からの印象も良くなるので、自分の実力で勝負したいという人にとっては、やり甲斐のある環境と言えます。

 

教育制度・成長環境について

マルニジャパンの教育体制ですが、経験が浅い人に対しては、OJT教育を基本としているため、商品知識や基本的なスキルを学べるような、基礎研修は用意されていませんが、現場でのフォローは、かなり手厚いです。先輩スタッフが、丁寧に教えてくれるので、安心です。

 

また、スキル的に、通常業務をこなすのが難しいと判断された場合には、最初はアシスタント職として、勤務をスタートして、仕事を覚えた段階で、ほかのスタッフと同じように、職責を担うようになるといったように、自分の能力に合わせて、仕事の内容を設定してもらえます。

 

自分のキャパを超えるような、仕事を割り振られることがないので、安心して働けます。

 

そうやって実力を磨いて、独り立ちが出来れば、マルニジャパンは、実践的なスキル(応用的なスキル)を習得することを目的とした勉強会や、マネジメント研修などが、定期的に開催されているので、知識をブラッシュアップする機会については、事欠きません。

 

特に、販売職向けの研修に関しては、マルニジャパンは、富裕層の顧客が多いということもあり、高度な接客マナーが必要とされるため、半期に一度、接客技術向上を目的とした、大がかりな研修が行われています。

 

なお、マルニジャパンは、実力が高いと認めた社員に対して、積極的に、海外出張の機会を与えている会社です。

 

本社のあるイタリアを中心に、世界各国を訪問するチャンスを得られますが、その時には、最先端の技術やグローバルな考え方を学べますし、英語やイタリア語についても、自然と身に付きやすいので、海外に興味がある人は、ぜひこういった機会も活用してください。

 

ワークライフバランスについて

マルニジャパンは、職種や部署によって、就労環境に違いがありますが、営業・販売といった職種を除けば、残業時間は少ないですし、有休の消化率も高いので、ワークライフバランスについては、良好と考えて大丈夫です。

 

一方、営業・販売に関しては、業務量が膨大な部署が多く、遅くまで仕事をすることも珍しくありません。そのうえ、休日に仕事の電話が来たり、急に出勤を要請されたりすることもありますし、有休取得も難しいため、プライベートと仕事の両立は厳しいです。

 

ちなみに、マルニジャパンの場合、インセンティブを狙って、成果を挙げるために、自主的に仕事をしている社員が、大半を占めているという背景があり、現実としては、こういった就労環境に、文句を言う社員は、それほど多くはありません。

 

そのため、会社としても、就労環境の改善には、それほど力を入れていないので、今後も、こういった状況が続く可能性があります。

 

結論として、ワークライフバランスを重視する人にとっては、マルニジャパンの営業や販売は、あまり向いていない仕事と言えるので、注意してください。

 

女性の働きやすさについて

マルニジャパンは、仕事の内容において、男女差が生じることはないですし、昇進・昇給の機会も、男女平等です。特に、販売職の場合、管理職に付いて、活躍している女性が多数存在するので、キャリア志向が強い女性にとっても、やり甲斐を感じながら働けるはずです。

 

また、以前は、マルニジャパンは、結婚・出産を機に仕事を辞める人が多い会社だったのですが、近年は、産休・育休といった子育て支援制度が整備されたこともあり、少しずつ休暇を取得する社員が増えてきている状況です。

 

まだ改善している途中段階ということもあり、現時点においては、周りのスタッフの子育てに対する理解度が、部署・店舗によって異なるので、職場によっては、働きにくいと感じる部分が残っているというのが現状ですが、今後は改善されていく可能性が高いです。

 

マルニジャパンの転職先としての価値

ここまで、マルニジャパンの就労環境について、様々な角度から見てきましたが、現状においては、それほど給与が高いわけではないですし、福利厚生もイマイチです。

 

また、就労環境、教育体制、キャリア支援体制といったことに関しても、決して悪いわけではないのですが、ずば抜けて良いということでもありません。

 

そのため、現時点においては、マルニジャパンは、あまり転職先としての魅力が高くない会社と言えますが、ここ数年、待遇、就労環境の改善に取り組んでおり、どんどん、良くなっています。特に、2017年頃からは、その動きが加速しており、今後は、職場の魅力が高まってくると思います。

 

下記に、マルニジャパンの中途採用求人を扱っている転職会社をリストアップしておきますが、彼らは、このあたりの社内環境の変化も押さえているので、マルニジャパンに興味があるようでしたら、ぜひ、最新事情について、問い合わせてみてください。

 

(もしかしたら、かなり条件が良くなっているかもしれません。)

 

なお、問い合わせた結果が、『この会社はイマイチ・・・』という判断になるかもしれませんが、その時には、別の会社を紹介してもらうことも出来ます。

 

転職会社は、膨大な量の求人情報を扱っており、自分が希望する条件を伝えれば、それらの条件を満たす企業を探し出してくれるので、マルニジャパンがダメだった時には、他社のことについても、話をしてみてください。

 

<マルニジャパンの中途採用求人を扱っている転職会社>

 

※補足
このなかで、『リクルートエージェント』、『マイナビエージェント』の2社については、総合系の転職会社なので、様々な業種の企業の求人案件を押さえています。もし、アパレル以外の業種の会社に興味があるようでしたら、この2社に相談してみてください。