アパレルのアルバイト

 

アパレルショップの店舗スタッフの求人をみると、その大半がアルバイト、契約社員、派遣社員の求人となります。正社員として募集をかけているショップは殆どありません。まれに店長候補を募集する求人で、正社員契約となるものが出ていますが、少数派です。

 

場合によっては、アルバイトが店長をしていることもあります。これがアパレル業界の実情ですが、これは決して悪いことばかりではありません。アルバイトのなかで優秀なスタッフを正社員として雇用するというのがアパレル業界なので、仮にバイトとして働き始めたとしても、自分の努力次第で正社員になることが出来ます。

 

その場合、たいていのケースにおいて店長に昇格しているはずですが、ここでも優秀な結果を出せば、中堅メーカーやセレクトショップの場合、エリアマネージャーやバイヤー、MD、VMDといったポジションに昇格するチャンスが出てきます。

 

このように、バイトが始めても、キャリアアップをしていけるのがアパレル業界なので、最初はバイトスタートということでも全く問題ありません。バイトであれば、未経験者でも採用してもらえるので、最初のきっかけを掴むという意味では十分です。

 

キャリアアップは時間との勝負

もちろん、こんなふうにスムーズにキャリアアップするには、日々の努力が欠かせないわけですが、もう一つ重要な要素があります。それは年齢です。

 

店舗スタッフ(販売員)

店長

エリアマネージャー

バイヤー、MD、VMD

 

店舗スタッフからのキャリアとしては、おおよそ、こんな順序になります。(店長から直接、バイヤー、MD、VMDというケースもあります。)

 

それぞれのポジションにおいて、昇格出来る年齢というものがあります。たとえば、店長から先のポジションに昇格出来るのは、35歳ぐらいがデッドラインになってきます。35までに昇格出来なかったら、その後もずっと店長として働き続けるか、アパレルの仕事を辞めることになるかのいずれかです。

 

35歳までに昇格するには、それまでに店長としての実績を出しておかないといけないので、そうすると20代のうちには店長になっておかないと厳しいということになり、これが店長になるデッドラインとなります。

 

また、20代のうちに店長になれなかった場合、30歳を超えても一店舗スタッフとして働き続けるのは、かなり微妙です。アパレルは若い業界なので、店舗スタッフの平均年齢も低く、30歳を超えると、かなり上の部類になります。

 

30代前半のうちは、まだ何とかなるかもしれませんが、35歳を超えると厳しいです。あからさまではなくても、首切りというものがちらつきますし、その前に、自分自身がいたたまれなくなったり、安い給料に耐えきれなくて辞めざるを得なくなるというのが現実です。

 

こうやってみると、アパレルの仕事というのは、時間との勝負です。何も考えずにいられるのは20代前半のうちだけ。20代も後半になってくると、色々なプレッシャーがかかってきます。

 

ちなみに、本当に店舗スタッフから出世していく人というのは、25歳までには店長になって、30歳前には、エリアマネージャーぐらいにはなっています。このぐらいのスピード感がないと、アパレル業界で働き続けるのは難しいと考えてください。

 

キャリアアップを目指すのであれば、ブランド選びが大切

ここまでお話してきたキャリアアップというのは、中堅ブランドで通用する話となります。大手ブランドの場合、店舗スタッフとして採用された人間がバイヤーやMDになるのは、ほぼ不可能です。

 

大手だと、職種を販売職と総合職に分けて人を採用します。販売職というのは店舗スタッフ、店長です。一方、バイヤーやMD、VMDは総合職となり、別ラインとなりますが、販売職から総合職に移るというケースは、かなり稀です。

 

飛び抜けて優秀な人だったら、例外的にというケースがありますが、こんなことが出来るのは一握りの人だけです。まず無理と考えてください。

 

では、最初から総合職として転職しようと思っても、総合職の中途採用は即戦力の人材のみとなるので、未経験者はNGです。従って、店舗スタッフから始めることになりますが、そこで重要なのがブランド選びです。

 

販売職でもMDやバイヤーといったポジションに移れる可能性があるブランドを選ぶようにしてください。これは面接時に確認すれば済むことなので、必ず実行しておきましょう。