アパレル業界でのキャリアプラン

 

アパレル業界というのは、基本的に若い業界です。ショップ店員をみても若い人ばかりで、40代、50代の店員さんというのは、あまりみないと思います。(着物屋といったような年齢層が高い人向けのお店でもないと、年配の店員さんはいないものです。)

 

これは業界的な傾向であり、30歳を超えてくると、店長や複数店舗を管轄するようなマネージャーといった管理職に昇格していない限り、だんだん仕事がなくなってきます。露骨な肩たたきというのは無いにしても、同僚がみんな自分よりも年下になり、場合によっては上司も全員年下ということにもなるので、居づらくなり自然に辞めていくことになります。

 

また、一般販売員だと、年齢を重ねたからといって比例して給料が上がるわけでもないので、結婚していたら、それこそ食べることすら大変になってきます。

 

これが業界としての実情なので、まず販売員のまま、仕事を続けることは出来ないということを認識しておいてください。

 

では、現在販売員として働いている人は、将来のためには、何をすればいいのか?

 

20代の人が将来のキャリアプランを設計する時に、考慮すべきポイントをまとめてみます。

 

目次

販売員からキャリアアップ出来る人は一握り

アパレル業界でのキャリアアップのモデル例として、よく出てくるのが下記のようなものです。

 

ショップ販売員
↓(1〜2年後)
店長
↓(2〜3年後)
エリアマネージャー・トレーナー
↓(3〜4年後)
営業、MD、バイヤー

 

ただし、このルートを歩める人というのは、本当に一握りです。店長になれる人も販売員全体の一部ですが、そこからエリアマネージャー、MDと昇格出来る人は、本当に一握りです。

 

店長が100人いて、そこからキャリアアップ出来る人が数名いるかどうかといった割合だと思います。そもそも、企業によっては販売職と総合職を明確に分けているため、どれだけ頑張っても店長止まりというケースも珍しくありません。

 

夢のない話になってしまいますが、本当に優秀な人であれば、ステップアップ出来る可能性は十分にあります。

 

そのため、もし、販売員からアパレル業界のなかでキャリアアップを目指すのであれば、どれだけ早い時期に店長になれるかが勝負と考えてください。

 

たとえば22歳で入社、1年後に店長に昇格となれば23歳です。20代前半のうちに店長に抜擢されるのは、会社から評価されている証拠であり、実力もあると考えて間違いありません。

 

ここで数年頑張れば、エリアマネージャーになれる可能性が十分にあります。そうしたら、30歳前後で総合職へ移れる可能性も出てきます。

 

仮に、ダメだったとしても、まだまだ若いですし、管理職の経験というのは、どの業界でも評価されるので、違う業界に転職するのも難しくありません。

 

逆にいえば、20代後半になっても店長に昇格出来ない場合には、アパレル業界でキャリアアップするのは厳しいと考えたほうがいいです。店長には昇格出来るかもしれませんが、そこで止まる可能性があります。

 

こういった人は、今のうちに異業種への転職も考える必要があります。

 

異業種への転職は20代が勝負

一般販売員から異業種へ転職することが出来るのは20代、遅くても30代前半までです。35歳を超えると、業界未経験の人間を採用する企業は殆ど存在しないと考えてください。(営業などで、よほど優秀な成績を上げたといったことがあれば、話は別です。)

 

30歳を超えると、一気にハードルが高くなるので、転職するのであれば20代のうちです。先ほども触れましたが、アパレル業界で生き残れるのは、若いうちに昇格した人だけなので、このあたりを基準に見切りをつけることが重要です。

 

総合職への転職も20代が勝負

将来、総合職で働きたいのであれば、選択肢としては二つあります。まずは先ほどお伝えしたように店長→エリアマネージャーというふうに、徐々にステップアップしていく方法、もう一つは販売員からいきなり総合職への転職を目指すというやりかたです。

 

この場合、販売員としての経験は、転職時においてそれほど高く評価されるわけではないので、実質、異業種からの転職と同じような扱いになります。

 

従って、総合職に転職したいのであれば、企業を納得させるだけの実力が必要です。働きながら、服飾学校に通ってデザインや流通関連の知識を身につけたり、Webサイトが構築出来るだけのスキルを勉強して習得するといったことが出来れば、そこを評価されて採用される可能性があります。

 

ただし、実務経験がない状態で、スキルが活きるのは、やはり20代のうちだけなので、早い段階で方向性を決めて動くことが必須です。

 

店長クラスであれば、転職の選択肢が広がる

異業種への転職を考える場合、店長クラスの人であれば、選択肢が広がります。能力の高い人材と判断されるので、該当業務に関する経験がなくても、採用されるチャンスが広がります。

 

年齢的も、30代前半ぐらいであれば、ある程度融通が効きます。一般販売員と比較すると、数年は猶予が出来るので、そのアドバンテージを活用して動くことをオススメします。

 

ただし、それでも35歳を超えると、状況は厳しくなりますし、年齢的には若ければ若いほど有利なので、躊躇しないことです。

 

まとめ:早いうちに勝負する

以上となりますが、結論としては20代が勝負ということです。30歳までであれば、転職の融通が効きますので、幾らでも自分のキャリアを修正することが出来ます。しかし、それが30歳を超えると、一気に動ける範囲が狭まります。

 

仕事探しでどん詰まりになってしまう人というのは、これぐらいの年齢になって初めて真剣に考えるというパターンが多いのですが、それでは遅いというのが現実です。

 

若い時には、こんなことを考えずに過ごしてしまうものですが、キャリアを考えるうえでは、20代というのは非常に重要な時期です。この時期をどう過ごすかで、10年後・20年後の状況が大きく変わってきますので、無為に過ごさないようにしてください。