アパレル業界で薬剤師を募集する求人

 

どの業界でも、レアな求人というものが存在します。『こんな仕事ってあるの?』、『こんな資格を活かせるの?』など、内容を見ると、ビックリするものが多いのですが、アパレル業界にも、こういった求人が存在します。

 

このページでは、その一例を挙げますが、それは薬剤師を募集する求人です。『なぜ、アパレルで薬剤師? 会社の医務室で勤務するの?』と思われるかもしれませんが、ちょっと違います。

 

正確には、化粧品や医薬品事業へ多角展開するアパレルメーカーからの求人となるのですが、研究開発・商品開発、薬事対応(服用後の不快症状や副作用などが発症した場合の行政対応・国などの関係省庁への届け出業務等)、医療機関対応、リスク管理といった業務を担当することになります。

 

また、通販事業を展開しているアパレルメーカーからの求人だと、ユーザーからの問い合わせに対する対応(服薬指導、飲み合わせ・併用調べ)、注文を受け付ける電話オペレーターへの商品説明、薬事法に対するレクチャーといった指導業務も兼務することになります。

 

近年、薬事法が改正され、医薬品を販売する時には、市販品であっても、ユーザーに対する商品説明を行わなければならなくなっています。(説明義務が必要となる医薬品の範囲が広がっています。)

 

そのため、転職市場においては、薬剤師に対する需要が高くなっているのですが、アパレルメーカーにおいても、同様の傾向があるということです。そのため、ドラッグストアや調剤薬局から、アパレル企業に転職する薬剤師が存在するといった、ここだけ聞くとハテナマークが付くような現象が起きています。

 

薬剤師の求人サイトなどにも、こういった事例が掲載されていることがあるので、興味がある人は、確認してみてください。

 

アパレル業界から薬局業界への転職

ちなみに、これは補足になりますが、上記の逆パターンも存在します。アパレルショップの販売員として働いていた人が、ドラッグストアやOTC販売を行っている薬局へ転職するというパターンです。

 

ドラッグストアや薬局というのは給与が良く、一般職でも、時給換算で1200~1500円程度は望めます。正社員の場合、月収20~40万円というのは平均収入といったところです。(もちろん、薬剤師の免許は不要です。)

 

接客スキルさえあれば、十分に務まる仕事ですし、販売のノルマもないので、正直なところ、アパレルショップよりも断然楽です。それでいて給与がいいのですから・・・

 

アパレル業界で、売上をあげることに苦労してきた人からすれば、がく然とするかもしれません。これは、単純にドラッグ業界、薬局業界は利益率が高いので、それが給与にも反映されているだけのことなので、個人の努力や能力とは無関係です。

 

極めて単純に言えば、どこで働くか?によって、給与が変わってくるということです。そこで、どうせなら、給料が良いところで働こうということで、アパレルからドラッグ業界へ転職する人は増えています。

 

女性の従業員比率が高く、女性にとって働きやすい業界であるということも、その背景にあると思いますが、アパレル業界で働いていて、先のキャリアが見えないという人は、異業種への転職ということで、ドラッグ業界も選択肢に入れてみてください。

 

また、アパレル業界→ドラッグ業界という流れで言えば、総合職に関しても、確実に給与はアップします。人事、経理、総務、広報、マーケティング、営業等、どんな職種においても、必要とされる知識・スキルは、異なる業種間で共有出来るものなので、異業種間の転職は容易です。

 

そして、アパレル業界とドラッグ業界を比較すると、間違いなく、後者のほうが年収ベースで100~200万円近くアップします。給料が頭打ちになっていて、何か新しいことにチャレンジしたいという人は、ぜひ、こんな転職も考えてみてください。

 

薬剤師の資格があれば、さらに給与アップ

これは言うまでもないかもしれませんが、薬剤師の資格があれば、給与はさらにアップします。ドラッグストアの販売員でも、時給換算で最低2000円は確実、夜勤であれば、未経験者でも3000円以上をもらえることもあります。

 

経験者や語学が出来るなど、プラスαの武器を持っている人は、時給が5000円近くになることもあります。(アパレルショップの店員だと、下手したら日給に相当するような額を、1時間で稼いでしまうことになります。)

 

ただし、薬剤師になるには薬学部を出なければいけませんが、現在は6年制になってしまったので、卒業するまでにかかる費用は国立でも400万円、私立だと1000万円を超えてしまいます。その費用に見合うだけの収入を得られるかというと、疑問なところもあります。

 

20代の人であれば、長く働くことが出来るので、元は十分に取れますが、30代後半ぐらいになってくると微妙です。ただ、例外的に特待生として奨学金をもらうことが出来れば、授業料をかなり抑えられるので、これであれば、元は十分に取れます。

 

これも簡単なことではありませんが、一つのキャリアパスということでお伝えしておきます。(実例としては少ないのですが、実際にこんなふうにして、転職を果たした人もいます。)