アパレルの仕事は販売職と総合職に分かれています。販売職は求人数も多いですし、未経験者が応募出来る仕事の割合も多いのですが、総合職は狭き門です。元々の採用枠が少ないため、競争が厳しくなります。
学歴重視の傾向が強く、それなりの大学を出ていないと、書類選考で落とされることも多いですし、世界的に展開しているブランドであれば、語学も必須です。それも中途半端な能力ではなく、TOEICでいえば900ぐらいのスコアを取得出来るぐらいの実力が要求されます。
このように、採用条件が厳しいのが総合職ですが、求人サイトなどを見ていると、総合職の求人で未経験者でも応募可という案件が、たまに出ていることがあります。こういった求人をみると、チャンスと思われるかもしれませんが、かなり危険な要素があるので注意してください。
総合職の求人で、未経験者を受け付けている企業というのは、下記のような状況にあることが多いです。
- 労働環境が悪いため、社員の定着率が悪く、常に人手不足になっている
- 新規でアパレルブランドを立ち上げた企業で、やはり人材不足
- 小さな会社で、販売職と総合職の区別が明確でない
1については、何も解説する必要がないと思います。いわゆるブラック企業です。劣悪な環境のなかで、激務に追われる可能性が高いです。
同じように、2についても激務が予想されます。これは、今まで違う業種で事業を展開している会社が新規でアパレル事業に参入してきたという意味ですが、こうなると、会社のトップがアパレルのことを知らない状況で、憶測で指示を出すといった状態になりがちで、現場の人間は振り回されることになります。
オペレーションに慣れていないので、ただでさえ仕事の効率が上がらないうえ、トラブル続きで、対応のため毎日遅くまで残業といったことが珍しくありません。
なかには、アパレル業界に精通している人間を責任者に据えて、体制をしっかり整えたうえで事業を展開する会社もあるので、こういった企業であれば問題ないのですが(むしろ、ゼロから創り上げる経験が出来るので、楽しいしやりがいも感じられると思います)、この見極めが重要ということです。
その会社の体制がどうなっているのか、確かめないまま入社してしまうと、後悔することになります。どんな会社なのか、事前に調べておくことが重要です。転職エージェント経由で申し込むのであれば、エージェントのスタッフに確認すべきですし、面接の時にも企業側に直接聞いてみるべきです。
ここで嫌な顔をしたり、マトモに答えてくれないような会社は、その時点でダメなので、避けておいたほうがいいです。
3については、あまり問題ないように思えるかもしれませんが、こういった会社だと、組織体制が整っていないこともあり、その場合、やはり業務が非効率で、やたら忙しかったりします。また、総合職と言いつつも、実は何でも屋だったということもあり得ます。
なぜ、未経験者を採用するのか、確認すること
ここまで暗くなる話ばかりしてきましたが、現実を見なければいけないということです。一握りの人しか仕事に就くことが出来ず、なり手はいくらでもいる総合職で、なぜ、わざわざ未経験者に門戸を開く必要があるのか?
普通だったら、総合職の求人には、経験者が応募してきますので、わざわざ未経験者を採用する必要はないわけです。その裏には何か理由があるということです。
もちろん、なかには、社員が高齢化してきているので、次の世代の人間を育てるために、若い人を採用するといった健全な目的を持って、未経験者を募集するケースもあります。ですから、全ての求人がダメということではないのですが、避けておいたほうが良い会社が少なくないのも事実です。
質の良い会社と悪い会社が入り交じっている状態なので、よくよく確認することが重要です。残念ながら、求人票をみるだけでは違いは分からないので、自分で突っ込んで調べる必要があります。面倒なことではありますが、職場選びは大切です。これぐらいの手間暇はかけるようにしましょう。